あまりにも面白くて、出張帰りの機内で読み終えてしまった。
[Amazonより]
妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球
の才能」を買った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けてきた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜
市を訪れた—。奇跡的な美しさに満ちた感動のエンディング!魂を揺さぶる、日本ホラー小説大賞受賞作。
いきなりファンタジックな序奏から始まる。学校フクロウが「今夜、夜市が開かれる」と。
しかし、終始ファンタジーで終わることはなく、そこには現実めいた説得さも残している。ちゃんと現実に戻して、ファンタジーに戻す。その繰り返し。非常に巧い。実際に著者はその世界を知っているのではないかと思えるほどだ。
さらにそれを際立たせたのが、同録の「風の古道」。
きっと誰もがそれは「あるかもしれない」と思っているその古道。やおろずの神も、妖怪も、常に隣り合わせに存在しているものだと信じられていることもあって、その世界は特に不思議に感じない。そして、実に、正確に写実的な文章だと言わざる得ないほど、出来上がっている。ファンタジーなのにも関わらず。
あまりホラー小説を読まないのですが、この作家さんはファンになりました。また他著書も読んでみようと思う。
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