ディスクリプション:1949年にジョージ・オーウェルは、近未来小説としての『1984』を刊行した。
そして2009年、『1Q84』は逆の方向から1984年を描いた近過去小説である。
そこに描かれているのは「こうであったかもしれない」世界なのだ。
私たちが生きている現在が、「そうではなかったかもしれない」世界であるのと、ちょうど同じように。(Amazonより)
読み終えるのに二ヶ月掛かってしまった。新潮社の方針と、ファン層からの要望もあって、内容は完全に明かさないままの発刊だったそうで。なので、どこへ連れて行くのかわからない物語を読み進むのに、前半はとにかく時間が掛かってしまった。
とはいえ、村上春樹ワールドにどっぷりつかれる作品だったのではないかと思います。私は、彼の翻訳する外国絵本や短編が好きなので、長編小説などはたぶん「ノルウェイの森」以来ぐらい読んでいないと思う。なので、かなり久しぶり。
三人称で進む物語は、最初は断片的で伏線がどう繋がって行くのか分からなかったのですが、ゆっくりとじんわりと染みて来る感じは、村上春樹的な感じがしました。「1984年」とはちがった「1Q84年」。ほんの少しの違いがうまく交差させ、表現されていて非常に不思議な感覚を持つことが出来ます。様々なキーワードで感じる違った時代、時、空間。何もかもが、読み手をうまく誘い込みます。
最後に「1984年では使われなかった語句があります」と、ありました。それでも、当時の様子を伺えるような行動のもどかしさが多くあって、純粋に1984年代を楽しみながら読めたと思います。その時代をリアルタイムに過ごしていない世代には、少々この楽しみ方は分からないかもしれません。
さらに、村上春樹と同世代で1968〜72年あたりの学生闘争を経験していた人にとっては、さらに感慨深く読めるのではないかと思う。
学生闘争の末路、新興宗教、親のよる憂鬱な日曜日、性犯罪、ドメスティックバイオレンスといった70年、そして80年から90年代にセンセーショナルに走ったキーワードが散りばめられています。
で、Book2の最後なのですが、結局は様々な登場人物の落としどころが完全に欠落していました。なので、様々なレビューで、続編があるのではないかというのは、決して間違いではないのではと思っています。素直に次回作を楽しみにしています。

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