先日、東京出張で飛行機で読める本ないかなと物色していたら、東野圭吾の本が目についた。この人、すごいいっぱい作品があってまだこんなにあったのかとか思った、今更。
300ページちょっとと、わりとページ数が少ないので、出張中に読めてしまいました。
あらすじ:少女の遺体が住宅街で発見された。捜査上に浮かんだ平凡な家族。一体どんな悪夢が彼等を狂わせたのか。「この家には、隠されている真実がある。それはこの
家の中で、彼等自身の手によって明かされなければならない」。刑事・加賀恭一郎の謎めいた言葉の意味は?家族のあり方を問う直木賞受賞後第一作。(by Amazon)
主役ではないけれども、ここで事件を追う刑事が加賀恭一郎。ムカつくほど、いい男だ(笑)。加賀恭一郎シリーズはいくつか出ているけれども、ガリレオシリーズの湯川学と並んでいい男っぷりだ。ちょっとキャラかぶるけど。こんな刑事なら逮捕されてみたいもんだとか思うのは不謹慎だろうか。
それはさておき、この物語の主軸は家庭を顧みてこなかった父親。裏のテーマに、加賀恭一郎の父親もでてくる。
まずは、庭に(息子が殺したらしい)少女の遺体を見つけた家庭の話。最初は警察にという話になりながらも、バカ息子のために身勝手な行動に移る。自分の息子の人生ばかりを気にして、この死んだ少女の人生や両親のことを少しも考えないところが、また腹立たしい。
でも、そこに遺体を捨てる様や、実母の介護の現実、妻のようしゃないアホさ加減に、一家の大黒柱としてのプライドを精一杯絞り出そうとしている男の切なさも表現されている。
そして、もう一つのテーマ。加賀恭一郎の父は、余命わずか。それでも、加賀恭一郎は見舞いにも来ない。作中では、その父子の軋轢がそれほど意固地になるものなのかと違和感を感じながら読んでいたのだか、最後にうっかり涙してしまうほどの理由が出て来る。
ネタばれするので、ここでは書かないが、意外なキーマンがいたりと、ずいぶんと楽しめた作品。
半年振りに読んだ東野圭吾の作品だったけど、伏線が1本でピーンと張られている作風はやっぱり好みだなぁ。