久々のガリレオシリーズ!湯川学の登場。
[Amazonより]
夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか…。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは―。
夏休みの少年が出会うある一人の大人。それが、ガリレオこと湯川准教授。久々のガリレオシリーズに、わくわくしながら手に取った。
この作品の伏線には「献身」というキーワードがつきまとう。そう、「容疑者xの献身」で負った傷、悲しみ、それらが心の奥にしまい込まれている湯川にとっては、関わらざる得ない心情が織りなして行く。
...が、ちょーーーっと歯切れの悪さは出てしまったかな。
そう、いい意味でも悪い意味でも、これまでのガリレオシリーズとは違っていて、湯川の理論が楽しめるミステリーというよりは、どちらかという加賀恭一郎シリーズに近い人情物語になっている。
少々、被害者が死んだ動機がどこかもやもやした感は残ってしまったのですが、少年を視点に言えば、読後感はしんみりと終えていく。
主人公の少年の一夏の成長物語と言ってもいいかもしれない。個人的には、理科に興味のなかった少年が、もっとぐいぐいと気付きを発見する描写が欲しかったけれども。
湯川が、
「理科嫌いは結構だ。でも覚えておくことだな。わからないことはどうしようもない、などといっては、いつか大きな過ちを犯すことになる」
と、少年に語りかけるセリフがある。
これは、少年だけではなく、多くの人に知ってもらいたいセリフだ。
本作に出てくる、環境保護運動に関しても、自分たちだけの主張を一方的に出すのではなく、科学を相手に取っていえば、相手の知識も理解を深めなくてはいけない。これは、どんなことにも当てはまることだ。
両立させなくてはいけない場合は特に。
改めて湯川の大人も子供も立場も関係なく、公平な態度は、好感度が高い。理詰めで語っているように見えて、とても人情深い。こういう人、いるにはいるけど、なかなか不器用に生きている。でも、嫌いじゃない。むしろ、こういう人を恋人にしたいぐらい。
別に、福山雅治が好きということではない。見た目の話じゃーないの。
